- 福島 高柴デコ屋敷
- デコとは人形のことです。職人の手の中からあれよあれよと、ひょうきんな、可愛い張り子人形や三春駒たちが生まれてきます。4軒の家が今も人形づくりの工房を持ち、デコ屋敷と呼ばれています。人形の木型は県の重要文化財にも指定されており、地元の祭りでは張り子の面が使われるなど、今も数百年の伝統を守っています。
- 山口 萩焼
- 貫入(かんにゅう)とよばれるひびが特徴で、お茶を入れると、茶渋が貫入から時間と共に外に染み出し表情が変わります。このような変化は「萩の七化け(ななばけ)」と呼ばれています。
- 佐賀 有田焼
- 有田焼は、17世紀初頭朝鮮人陶工・李参平らによって有田町の泉山で発見された陶石を使い日本で初めて焼かれた磁器で、400年の伝統と技法を守りながら製造されている日本を代表する伝統工芸です。透き通るような白い磁肌と華やかで美しい絵付けが特徴で、耐久性も高く、美術品から日用品まで様々なものが生産されています。
- 大分 別府竹細工
- 「別府竹細工」として伝統的工芸品の指定を受けている別府の竹製品は、室町時代に行商用の籠を作って売り出したのが始まりとされています。主に県内に産する良質のマダケを主材料とし、200種類ほどの高度な竹編み技術によって、花籠、盛かごを中心に日用品やバッグなど繊細で美しい製品が幅広く生産されています。
- 徳島 阿波しじら織り
- 阿波しじら織は、シボという独特の凹凸による縮れような感触が特徴で、縦糸と横糸の本数と組み合わせによる張力差によりシボが生み出されています。阿波阿宅村の織女“海部ハナ”が雨に濡れそぼって縮んだ布に出来た凹凸をヒントに苦心研究の末考案したといいます。
- 刀鍛冶 鍛刀
- 布都正崇鍛刀場は、奈良県天理市にある日本刀の工房です。美しい田園風景に囲まれた自然豊かな場所で、黙々と刀が鍛え上げられていきます。煌々と燃えるホドで玉鋼を加熱し、高温で赤く輝くようになったそれを、手槌で叩いて鍛えていきます。職人の気迫が工房いっぱいに漂う様子を、間近に見学できるツアーは必見です。
- 奈良 ならまち 身代わり申
- 江戸時代の町並が残る奈良町では、軒先に赤いぬいぐるみが吊るされています。これは庚申さんの使いである猿を模った魔除けです。家中に災いが入らないように吊るすことから「身代り申」と呼ばれています。身につけることで災難を除けられたり、背中側に願い事を書くことで願いが叶ったりするという言い伝えも残っています。
- 滋賀 大津絵
- 大津絵は江戸時代の初期より名産として描かれてきた伝統民族絵画です。作品の画題は様々で、東海道を行く旅人の土産物や護符としても重宝されました。俳人にも愛され、松尾芭蕉も大津絵を題材にした句を残しています。親しみやすくユーモラスな絵柄が特徴の大津絵は、大津絵美術館で実際の作品を鑑賞することができます。
- 新潟 佐渡 無名異焼
- 無名異焼は、佐渡の代表的な伝統工芸品です。高温で焼き締められた非常に固い陶器であり、佐渡金山から産出する酸化鉄を多く含んだ茜色の土から造られています。
叩くと金属のような澄んだ音が鳴るのが特徴です。また、焼く際に炎の当たった部分が黒く変色することから、土の赤と黒色部分の対比が美しい工芸品でもあります。(撮影協力 玉堂窯元)
- 徳島 わんわん凧
- 江戸時代、阿波名物鳴門大凧には地域ごとにたくさんの種類があり、その中で撫養町のわんわん凧は横綱と言われました。かわいらしい名前は、蓮花寺本堂再建のお祝いに、棟梁の又右衛門は大凧をあげ、丹塗りの椀(わん)に鏡餅を盛って人々に振る舞ったことが由来と言われています。今では元旦を祝う行事として親しまれています。
- 鹿児島 天然塩作り
- 塩の歴史は古く、縄文時代終わり頃の製塩土器が鹿児島から見つかっています。また江戸時代後期には島津斉昭によって製塩が奨励されました。塩田は県の南側に多く、南洋から来た黒潮のきれいな海水が利用されます。ミネラル分を豊富に含み、旨味のどの部分を残すかによって味が変わるため職人や土地ごとに特徴があり、色々な天然塩が楽しめます。
- 鹿児島 薩摩切子
- 薩摩藩主島津斉彬公により、海外交易品として誕生した薩摩切子。一度はその伝統の技が途絶えてしまいましたが、職人の努力により、現代へと蘇りました。見ていると吸い込まれそうになるグラデーションのあわいは、「ぼかし」と呼ばれる薩摩切子独自の技法によるもの。伝統と革新の美がここにあります。